筑波大学 生命環境学群地球学類を受験して

世間ではこれからが試験期間の本番ですね.一方の私は、一足先に編入試験の初陣をしてきました.ただでさえ情報が少ない編入試験なので、同じ志を持つ後輩のために少しでも情報を残せればいいなと思いここに記します。

※7/26追記
結果は不合格でした。受験者は少なかったですが、やはり毎年1人採るというのが通例みたいですね。後輩の参考になれば。

・試験内容について
科目や時間等は要項を見てください。それが確実です。

まず英語について。
和訳が多い長文読解と、和文英訳が大問1つずつで、解答用紙は罫線が引いてあるだけのが2枚でした。長文は一般入試を比べてみても易しいというレベルなので恐れる必要はないと思います。和文英訳は小問が2つで、過去問とはちょっと違う傾向の内容でひどく効きました。。時間はかなり余裕があります。
配点や採点基準はもちろん公開されていないので、一般入試と同じで逐語訳したり、英訳では強引な意訳で減点個所を減らそうという思考ではダメな気がします。英語は専門で採るかどうかの足切りであり、専門で差がつかない場合の下駄履かせにもなるくらいに考えておいた方がいいと思います。

専門科目、地球学について。
例年通り4つの大問で、解答用紙は800字詰めの横書き原稿用紙みたいなのが4枚でした。出題分野は進化学分野から2問、人文地理から1問、地形環境分野から1問でした.13年度編入では進化学分野から2問、地形環境から1問、海洋と進化学の複合問題みたいなのが1問だったので、ここ2年の傾向は非常に偏っていると言えます。先人(http://ameblo.jp/kotatsu-to/theme-10007978390.html)の記録でも大量絶滅と人文地理分野から出題されていること、理工学群ではなく生命環境学群に所属させていることなどから考えても、理学的追求よりは人文・環境との絡め方というのを大学が重視しているのかもしれません。いずれにせよ学習の比重は 進化学>環境学 にするのをおすすめします。

面接について。
1人あたりの持ち時間は15分でした。思ったよりも女子が多かった(というか私以外全員女子でしたが)のですが、全員スーツでしたね。一応就職試験の面接作法でいったのですが、かなり適当だったのでそれなりに礼儀正しくしてれば問題ないと思います。
質問された内容は
・志望理由
・なぜ、筑波がいいと思ったのか
・現在大学で学んでいること
・入学してから専門にしたいこと(かなり具体的に突っ込まれます)
・筑波の教授や研究内容を調べて来たか
ここらへんが基幹の質問になっていて、返答に合わせてつっこんでいくという感じです。私は外国語を3つやっていた理由や、志望理由で本の話をしたので読んだ本なども聞かれました。入学してからの専門については本当に具体的で、気象の中でも何をやりたいのか、基礎研究か応用研究か、どうしてそれをやりたいのか、その専門で将来の進路はどう考えているかなどめちゃくちゃ聞かれました。ちなみに、惑星科学ではなくて地球学という名前なのがここでもまた敗因になった気がします。
とにかく「筑波大学地球学類でなくてはいけない学問的理由」を明確にしておくべきです。可能ならば教授にしばらく前からコンタクトを取るなりもするべきだと思います。高専からの試験組が多い中、卒論成果もなく、既に在籍している大学とバックボーンを捨てようとしている野良大学生がたったひとつの枠を獲得するのは厳しいと感じました。正直勉強はたいした分量じゃないので、できることなら全部やるべきでした。

総括すると、大学としての立場は 人間との関わり>>>自然科学的考察 だと感じられました。理学的研究をしたいなら他に行けといわんばかりでしたね。入学してからはともかく、試験では応用研究主体のところだと思って行った方がいいと思いました。

・勉強方法について
筑波大学の地球学群を受験するならこの2冊が必要です。

地球環境学―地球環境を調査・分析・診断するための30章 (地球学シリーズ)

地球環境学―地球環境を調査・分析・診断するための30章 (地球学シリーズ)

地球進化学―地球の歴史を調べ、考え、そして将来を予測するために (地球学シリーズ)

地球進化学―地球の歴史を調べ、考え、そして将来を予測するために (地球学シリーズ)

これは地球学群の教員陣が集まって作った教科書で、学群1,2年生の必修の教科書になっています。また、環境と人文地理とのつながりを重視する特殊な試験範囲を網羅している唯一の書籍です。この本の範囲を身につけられれば筆記はほぼ大丈夫でしょう。
ただしこの2冊は薄いので理論的背景を割愛したり、適当に済ませている部分が多くあります。なので

地球科学入門

地球科学入門

惑星地球の進化 (放送大学教材)

惑星地球の進化 (放送大学教材)

を副読本として一通り読みました。この2冊のおかげでだいぶ知識の質と量を増強できました。ですがこれで示唆されるとおり人文・環境についてはおざなりにしていたので痛い目を見ました。そっちの方がきちんと勉強すべきでしたね。

とまあこんなところで、所詮ダメだった人間の記録なのでアレですが参考になれば幸いです。
結果はまだ出てないんですけど分かりきっているようなものですしね。
もし、これから受験を考えている人がこの記事を読んでいるのだとしたら、頑張ってほしいです。幸運を祈っています。